2007年10月27日土曜日

マルコムXのメッセージ


先日柴崎図書館で借りた『マルコムX FOR BEGINNERS』を読みました。

マルコムXといえばアレックス・ヘイリー著の『マルコムX自伝』が有名ですが、読書が苦手の僕がマルコムXを初めて知ったのは、その自伝を基にした スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演の映画のほうの『マルコムX』でした。
この本はマルコムXの生涯や言葉をイラストとともにわかりやすく教えてくれるものです。急進的な黒人指導者として、そのストレートなもの言いからも、マルコムXには暴力的なレッテルが貼られがちですが、それは、白人中心のマスコミによってつくられた虚像であって、実はそうではないということがこの本を読むと良くわかります(この本の訳者もあとがきで《著書や文献によると、マルコムX自身、ブラックモスリムに入信して以来、暴力行為をとったことはない》と書いてます)。

マルコムXには、
《THE ONLY REAL POWER in this society comes
from either the ballot or bullet .
(唯一の真の権力は、アメリカでは投票か銃のいずれかによってもたらされる。)》

という有名な言葉もありますが、1965年2月21日に暗殺される前の最後のメッセージのひとつは、「子どもの世話をしなさい」ということだったそうです。つまり、子どもはアメリカの最後の希望であり、大人は遅すぎる、ということ。

防衛省の不透明な契約の闇と前防衛事務次官の接待づけ、厚生労働省の薬害肝炎の情報隠蔽、文部科学省の沖縄戦強制集団死(「集団自決」)の旧日本軍関与削除のゴマカシ教科書検定問題、繰り返しおこなわれる原発関係の情報隠蔽や食品偽装。こんな日本の状況を見ていると、日本でも「大人は遅すぎる」と思わざるを得ません。

《我々の過去に関する知識を身につけることで、我々は未来への道を手に入れることができる。過去から今日までの我々の道のりを知ることによってのみ、今、我々はどこにいるか、どこに行きたいと思っているのか、分かるのである。》

これもマルコムXの言葉です。柴崎図書館でいい本と出会うことが出来ました。

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